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世の中にはHゲーと呼ばれるものがある。エロゲーと呼ばれたり、アダルトゲーム、18禁ゲームなどと言われることもある。以下「HG」で統一する。
コンピュータ技術の進化により、ゲーム業界自体が急速な発展を遂げ、美しい映像、リアルなサウンドなどを実現するようになってきている。その中でも急激な進化を見せ、もはや隠れた1ジャンルではなく、代表的ジャンルになっているのが、美少女ゲームやHGなのである。
絵が綺麗になるだけでなく、この完成度の高い音楽やオープニングシーンはどういうことだ、と思ってしまう。昔、PCをカタカタやっていたころに、こういった芸当ができるのは日本ファルコムをおいてはなかったと言われていた。それこそHGにいたっては、適当な裸やセックスシーンが出ればOKみたいないい加減なものだった。
そう、時は遡ること10数年前、世の中では「PC-9801」が君臨していた。パソコンでありながらも、一種のゲーム機でもあったこのマシーンで当時学生だった私もHGに手を伸ばしていた。
当時のHGがどんなものであったか知っていますか? 一つ紹介しますよ。その名も、
『177』
あら、天気予報のお知らせかしら? と思った人は大間違いである。もちろん時報でもない。
この場合の「177」は刑法の条目を表す。
刑法177条 暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、2年以上の有期懲役に処する。13歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。
いわゆる強姦罪である。当時の刑法がどんなものかは分からないが、現在はこうなっている(なんで同様なのに13歳で分けているんだろう?)。
はい、お察しできたかた、いますね。そうなのです。このゲームは「強姦する」ゲームなのです。
ありえない……

まず、オープニングで女の子を追いかけ始めます。

障害物を手榴弾で破壊しながら、女の子を追い詰めます。
ここで、再接近したときに、スペースキーを叩きつけると、1枚ずつ服を脱がすことができます。
あほらしい……何を考えて作ったんだよ、このゲームは。まったく……
スペースキー壊れるかと思ったわ!
そして家に着く前に、最後の1枚を首尾よく脱がせられたあかつきには、レイプシーンに突入します。
ここで主人公はハンカチを敷いて和姦を成立させます(ウソです)。

ここからが、またこのゲームのバカなところです。テンキーを交互に押すことによって、腰の上下運動を繰り返します。
……( ゜д゜) ポカーン……
開発者は、頭のねじが鉄郎でできてるんじゃねえの、と思うようなバカさ加減である。まったく……
指がつるかと思ったわ!
時間内に女をイカせたらクリアです。
当然、発売中止になりました。
というようなゲームしかなかったんですよ。そんな腐ったシステムと腐った映像に男どもはただ飢えた野獣となるだけである。
今のHG界では想像できませんね、18禁アクションゲーム
その後、「エルフの台頭」といわれる時代がやってきたのですが、ドラゴンナイトに手を出し始めたころから私はHGはやらなくなってしまった。
ところが時代は変わって今のHGはどうだろうか。
まず画質の向上はいわんやをやである。
音楽に関しても、いつからか歌まで入っている。これもCDならではの技だ。フロッピー時代ではFM音源も苦しい限りだった。しかも適当な歌ではなくて、ゲームにしては質が高い。
そしてシナリオ……
昨今、HGは2種類のタイプに分けることができる。「感動系」と「鬼畜系」。鬼畜系はどうでもいいのだけど、感動系とはなんぞや? ということになる。そもそも女の子の裸が出てばよし的なHG界で誰が感動を求めるんだと思っていた。ところが、ゲームの評価を見てみると、
「感動した」
「泣いた」
「(T_T)」
などという評価が盛りだくさんである。あろうことかHGで泣くなんてあのころのHGを知っている者にとってはありえない話なのである。墓場でレイプしてどう泣けって言うんだ? いけない内科検診をして涙を流せるか? 天使たちの午後は泣けたか?
それが2000年以降、「Kanon」「Air」「家族計画」……などと感動を呼ぶHGが次々と発売されたのである(どれもやったことない)。
そして私が出会ったのが「君が望む永遠」。
オープニングが始まるまでに5時間もプロローグが続くという恐ろしい演出だった。演出力という点では格段にレベルが高くなっている。
はっきりいってこのレベルであればHGとして出さなくても売れるんではないかと思った。
そう考えるのはみんな同じようで、18歳未満用や家庭ゲーム機用もあるようである。
むしろこれは曲芸商法と呼ばれ、いろんなバージョンの同タイトルを出していろいろ買わせようという魂胆である。日本人が好きな「コレクション魂」と「限定版魂」をうまく利用している。
でも「177」は18歳未満用はなかったと思う(あるわけない)。
このようにHGの群雄割拠の様相は、今昔でずいぶん違うものになってきたようだ。ゲーム業界の進展の中でも、この変わりようは他では見られない。泣けるHG、昔ではありえない話だったから。
でも、「177」をやると別な意味で泣けるのでは……とも思った(腕に湿布を貼りながら)。
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