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戦慄の東京湾花火大会
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2003/07/28
「女の子たちと花火見に行くんだけど来ない?」
高校のときの友人(以下S)からの電話です。
こういうのを姦計といいます。そんな甘い誘惑に疑惑を抱きつつ誘いに乗ったわけです。
もう一人の友人(以下T)も一緒ということで、安心していました。
東京湾花火大会。そんなものが見られるとは思ってもいませんでした。
いくら一人でいろんなところに出没する私でも、一人で大混雑の花火大会へは行けません。
恋人同士、サークルのような集い、家族……そんな人たちが敷物をしいて見るわけです。
そんな中に一人ぽつ〜んと。さすがにできません。心が花火と一緒に散っちゃいます。ていうか邪魔です。
そこへ花火の誘い。Sの仲間と一緒に見に行くということ。Sは愛知県人。はるばる来るわけです。
「一緒に集まったりする仲間だから」そうSは説明した。
思えばそれのどこが説明なのかといいたくなるほどあいまいだった。
そんなことより私の頭の中は浴衣美女でいっぱいだった。
当日……集合は浜松町。ここでTが大幅に遅れるハプニング! 不安がよぎる。
私は東京駅でこーしーなど飲んでいたら見事に遅刻した。すげえ人だからさ。で、着いたら
「ちゃんと時間は守ってくれなくては困る!」Sは憤慨していた。
確かに知らない人もいるというところで、堂々遅刻はまずいけど、この怒りようはなんだろう?
そこへSの仲間が登場! Sがにこやかに話しかける。
「どうも 『愛知B-258』 です」
「?????????????」(私の頭の中)
いや、お前はSだろ。なんだいその『愛知B-258』って?
いつからお前はそんな爆撃機みたいな名前になったのかしら?
そこへTが遅れてやってくる。おお! 様子が変なんだ、助けてくれ!
ここでTが「『神奈川ルート16ターボ』です」とか言ったら、猛ダッシュで逃げようと思ったのですが、Tは普通でした。
「ああ、この人たちSの『自己啓発セミナー』の人たちだよ」
おいおい、それを早く言えよ! 自己啓発? 人格改造?
ここではまず自分のコードネームをいわなくてはならないらしい。ターミネーターか?
いや、まずい。これは人生最大のピンチ。ピンチ佐藤です。
確かに女の子もいる。浴衣だ。結構かわいい子もいます。でもきっと『東京O−157』って名前だ。
と思っていたら、食い物持たされて会場へ連れて行かれる。もう後には引けない。
するとリーダー格の男が「君はどこで働いてるの?」
まあ、このくらいの質問なら問題ないだろうと思って少し会話していました。
と・こ・ろ・が……
この男、私の肩を抱いてきました。終わった_| ̄|○……瞬間そう思いました。
「人生っていうのはさ……」話がそれていく……
きっとこのまま花火大会の会場を遠く離れて、海から連れ出されるんだ。そうに違いない。
ところが、ところが、花火が始まると特等席でよく見えるよく見える。
花火を堪能していました。というより馴れ合い会話を始めてはダメだと思いました。
やはりこの人たちの会話は、はたで聞いていてもおかしいです。
何がどうおかしいかは忘れましたが、どこかズレています。
そしたらSが、会話に参加しない私にたまりかねて、私の過去現在未来をべらべらと話し始めました。
このときほど、大きなお世話だと思ったことはありませんでした。なんで他人に内情までさらけ出されるのかと。
ようは、会話に混じれということです。
まあ、最初からわかっていました。Sは私に入会させようとしていたのです。もちろんTにも。
入会したら、『東京P−501i』にしようかなと思いました、っていうか携帯選んでる場合じゃない!
この後、何が起こるか気が気じゃありません。
無事花火が終わり、さてどうしようかというとき、普通なら2次会とかありえます。
「本部で2次会しようか?」そんな誘いでした。どうやら本部というのがそう遠くないところにあるようです。
私は(Tも)かなり意志が固いほうです。どんなに説得されても跳ね除ける自信はあります。
しかし暴力には勝てません。
本部でジューサーに手を突っ込まれて「入会するか!」とか言われたら泣きながら「はい」というでしょう。
手を砕かれて、私が甲子園のマウンドに立てなくなったらたいへんです。
その会がそうなのかどうかは知りませんが、そういう強引なところ(脅し)もあるそうです。
私とTはそこでいろんな言い訳を駆使して、別れました。それ以来、Sとも会っていません。
私の頑なな意志を意外だと思っていたようです。なるほど外見から見ると、すぐ入会しそうだしね。
でも初期費用30万って……
それから「自己啓発セミナー」を調べていくうちに様々な事実がわかり、危なかったと思いました。
いや、それ自体を否定するわけではない。それで幸せになれる人がいればそれでいい。
でも人それぞれなんだから、半強制的に連れて行くような姿勢はやめたほうがいいと思う。
甘い誘いには罠があるということでした。花火は二人で見に行くのがいいよね。
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