史上最強の鬱ゲー
| PC-98/X68000/MSX |
| 1992 フェアリーテール |
|
(c)フェアリーテール
少女は狂ったぐらいが気持ちいい
鬱ゲー
遊べば精神的ダメージを受けて社会復帰が困難になるゲーム。
一般的には美少女ゲーム(恋愛シミュレーション系・18禁系)に使われる。
主に「ヒロインが死ぬ」「交通事故に遭う」「眠り続ける」「記憶喪失になる」「夢の世界だった」「Hした相手が実は狐だった」などといったようなことになり鬱になったりします。
民明書房「金田一少年の家計簿」より引用
|
しかし今のゲームは鬱エンドもありながら、躁エンド(=ハッピーエンド)も用意されているのが現実です。
そのエンドが気に入らないとか、まあそういうことはあるでしょうが、救いようがない終わり方というわけではありません。
そんなことで文句をいっている人は、真の鬱ゲーを知らないから言えるんです。
その真の鬱ゲーこそ、今からご紹介する「狂った果実」なのです。
1990年代初頭、三大Hゲーソフトハウス(私見)として「アリスソフト」「カクテルソフト」「フェアリーテール」がありました(現在、カクテルとフェアリーは統合しています)。
その一角、フェアリーテールが送り出したこの「狂った果実」。
「言ったでしょ? 不思議が当然フェアリーテールってね」
ちなみに石原慎太郎の同名小説とは、何にも関係がありません。
この時代特有の一方通行推理アドベンチャーゲームです。マルチシナリオなんてあるわけありません。
18禁だったので、一応エロシーンはあるのですが、エロくないし単なるおまけ、というか必要ないです。
「エロシーンがしょぼいようだが」「あんなの飾りです。エロい人にはそれがわからんのです」
このゲームが18禁であるのは、そんな理由ではなかったのです……
オープニングもなしに突然ゲームは始まります。主人公・狩野哲を操作します。
どうやら大学教授のパーティがあるということなので、教授邸に赴きます。
教授には三人の娘がおりまして、主婦・大学生・ママは小学4年生です。
そこで狩野はパーティに出席してなかった小学4年生の美夏と出会います。

これのどこが小学4年生なんでしょうか? ものすごく気品があるお嬢様です。
さて、伏線を張るのもめんどくさいし、やればすぐにわかることなのでここで申し上げます。
このゲームの犯人は美夏です。
小学生の殺人といえば、先の同級生殺害を思い出してしまいますが、12年前にこのシナリオはトラウマになりました。
狩野はこの美夏にすごく懐かれてしまいました。今の時代なら平気でHするんでしょうが、この時代にそんなものはありません。
そこへ口の悪い次女の秋美が登場します。どうやら姉妹の仲は悪いようです。
やれやれさっそく濡れ場かい、とか思ってたら、細工された手すりから秋美は階下に転落します。
濡れ場どころか、胸の谷間さえ見せずに一人脱落です。

階下にあった燭台に刺さり憤死
と、ここでオープニング(といってもタイトルコールされるだけだけど)が始まります。事件の幕開けです。
こういった演出は大好きです。なんか「やられた!」って感じで呆然としちゃいますよね。
ここまでが体験版に収録されている内容でした。続きは製品を買ってね☆……嘘です。体験版なんてありませんよ。
しかし、タイトルが出る前に犯人がわかっているサスペンスものってどうなんでしょうね
さて、ひょんなことから美夏の家庭教師をすることになった狩野は、教授邸に頻繁に出向きます。
途中、美香とデートするシーンとかもあります。ちなみに狩野には成子(なりこ)さんという恋人がいます。

この人は教授邸に住み込みで働いているメイドの真紀さんです。
ちなみにこのゲームでは、この類では珍しく全員黒髪です。あくまでリアルさの追及を目指しています(美夏はハーフです)。
ところが教授が留守なのをいいことに、二人は懇ろになりHしてしまいます。それを誰か(美夏です)に見られてしまいます。
で、問題の衝撃シーン。
翌日、真紀さんは何者かによって(美夏です)焼却炉で生きたまま焼かれてしまいます。
そしてそのシーンをリアルに描写するフェアリーテール。私は開発者に殺意を覚えました。酷すぎです。
そのシーン。自信のない方はおやめください。マジで酷くて吐き気さえ催します。見たい方は自己責任でお願いします
_| ̄|○ ウツダ…
さて、ここで成子ちゃんの登場です。心理学を勉強している成子ちゃんは将来犯罪心理を学んで刑事になるのが夢です。
いやー、その夢ぜひともかなえてください。応援します。で、彼女はその心理学で事件を推理します。

狩野とも仲がよいようです。とても器量のよくてやさしい子です。泳ぎがダメというころもかわいらしいですよね。
なんかほほえましい光景ですよね。いつまでも仲良くしてください。応援します(なんだこの伏線)。
次に狩野は、事件の秘密を知っている圭子と接触します。実は圭子は狩野の元彼女です。
情報を聞き出しているうちに、二人はHをし始めます。それを郵便受けから誰か(美夏です)に見られてしまいます。

翌日、圭子は何者かによって(美夏です)青酸カリによって毒殺されます。
小学生がどのように青酸カリを手に入れたとか、どうやってワイングラスに仕込んだとか、
どうやって家に上がりこんだのかだとか言うことは一切解明されません。推理も浮気も飾りなんです。
言い忘れましたが、もう一人男が殺されているのですが、殺された原因もわからぬままゲームは終わります。推理m(略
あえて言うなら、「犯人が美夏だと知って教授をゆすっていた」っぽいです。教授が口封じで殺したっぽいです。
そして教授は「全部自分が殺した」という遺書で美夏をかばって自殺します。
鬼作さん?
実際、これ自体も美夏が殺した偽装の可能性もなくはありませんが、このゲームでは事実がわかりません。
これで事件は終わったかのように見えますが、そこは成子ちゃんが許しません。
この自殺には疑問点がありすぎると、自慢の心理学で考えます。さすが将来の刑事さん。これで日本も安泰です。
ところが、事件に首を突っ込むと警告がくるのは火曜サスペンスの定番です。
どうやって上がりこんだのかは知りませんが、成子ちゃんの愛猫が電子レンジで爆死させられます。
そしてそのシーンもリアルに描写。本当に16色なのか? と思わせます。今のグラフィックレベルだと完全にソフ倫ものです。
そのシーン。自信のない方はおやめください。マジで酷くて吐き気さえ催します。見たい方は自己責任でお願いします
_| ̄|○ ウツダ…
さて、親のいなくなった美夏は、生みの親の住むフランスに帰ります。それまで長姉の家でお世話になります。
家庭教師の月謝が払われたかどうかということは一切不明です。
これはチャンスとばかりに、事件を解明しようとする素人探偵の狩野と成子ちゃんは教授邸に潜り込みます。
そこで、二人は美夏が描いていたスケッチブックを発見します。
そこに描かれていたものとは!!

間違えました。

人々の死に逝くさまを楽しそうにスケッチしています。
_| ̄|○ ウツダ…
これはまずい! ということで、狩野は美夏の元(長姉の家)に車を走らせます。が、

美夏 vs 成子ちゃん の構図
完全にスレ違いになった狩野。慌てて教授邸に戻ります。成子が危ない!
「よく考えりゃ、オレに近づく女が次々と殺されていたんじゃないか!」
ってそんなこと、3分でわかりましたが? アホですか、お前は。
間に合うか? 間に合うのか? 成子だけは殺させない! お前に殺させない!
ん〜、なんとか間に合うっぽいですよ。不幸中のさいw
「なんじゃあ、お前は〜!」
「美夏の殺害だけは邪魔させない」とばかりに犬が飛び出してきます。お前は美夏のサポートメカですか?
主人の言いつけで狩野を邪魔した犬の末路。自信のない方はおやめください。見たい方は自己責任でお願いします

車大破、狩野骨折及び片目失明。もう歩けません。
「成子〜〜〜!!!!!!」

が、願い届けられず、成子ちゃんは貯水槽で溺死させられます。泳げませんから……
・
・
・
・
・
・
少女は狂ったぐらいが気持ちいい
これがこのゲームのキャッチコピーだったんですが……
狂いすぎじゃ、ボケッ!!
フランスへ旅立つ美夏を空港で待ち伏せる恋人と片目を失った狩野。

イツカ・カナラズ・コロシテヤルカラナ

そんな狩野の無念の一言を一笑に付す美夏。
好きになった人に近づくものを抹殺し、結局好きになった人を深く傷つけた少女。
そして彼女はスケッチブックの最後に、絵を付け足して幕が引きます……

_| ̄|○ ウツダ…
救いようがねぇ〜〜〜! え? ハッピーエンドのほうを見せろって? そんなものありゃしませんよ。
確かに当時、みんな必死になってハッピーエンドを探しましたよ。でもそんなものなかったんです。
このゲームはですね、
小学4年生の女の子が、 憎き姉を転落しさせ、 一緒に住んでいるメイドさんを生きたまま焼き殺し、 慕っている人の元彼女を毒殺し、 (罪を父親になすりつけて殺害し)、 慕っている人の彼女の猫を電子レンジで爆死させ、 慕っている人の大事な大事なかけがえのない将来刑事さんを夢見る仲睦まじいカップルの彼女を溺れされて殺害し、 それを邪魔させないように犬をけしかけて車に体当たりさせる
という結末しか用意されてないんです。
はっきりいってトラウマになりました。
これで鬱になれという以外なにがあるんですか?
しかし主人公の怨念は強く、スタッフロールの最後に意外な結末で終わります。
怨
これが意味するところは……もう救いようがない……
|